蓮兄は、私をじっと見つめて手を取った。
そして、思ってもいなかった事を口にした。


「葉月、16歳になったら俺と結婚しよう」


弥生おばさんも意外な顔をして蓮兄を見た。
お父さんもお母さんもビックリしている。


「蓮兄?分かってる?将来、めちゃくちゃになるよ?」


「なんで?葉月と葉月の子どもなのに?」


「だって…蓮兄の子どもじゃないんだよ?」


「そうよ、蓮君まで重荷を背負わなくていいのよ!?」


「蓮くん、落ち着いて考え直しなさい」


みんなが蓮兄の事を止めようとする。
弥生おばさんだけは、黙って見ていた。


「葉月。俺はね、葉月が好きだよ」


優しく頭を撫でて、笑顔で私を見つめてくれる。
蓮兄は、私の手を離し、弥生おばさんを見た。


「母さん、これは俺が考えて決めた事だから」


蓮兄は、きっぱりと弥生おばさんに言った。