「葉月、話があるのだけれど…」

お母さんが遠慮がちに病室を覗き込む。
蓮兄と弥生おばさんが立ち上がろうとした。
でも、私は二人に一緒に居て欲しかった。
気持ちが不安定で壊れそうだったから。
誰かに支えて欲しいと思っていたから。
だから、二人が一緒にいる事を望んだ。


「今、先生に伺ったのだけど、帝王切開は今すぐに…と言うわけではないらしいの」


最初、言葉の意味が分からなかった。
今すぐ手術する訳ではない…。
じゃあ、赤ちゃんはどうするのだろう。
私自身もどうしたらいいのか分からない。