突然、大きな音がして私はびっくりして顔を上げた。
裕太のお父さんが立ち上がって裕太を叩いた音。
裕太は、歯を食いしばって耐えていた。


「お前は…余所様の大事な娘さんに手を出して、しかも、疑ったのか!?」


「ちょっ…おじさんっ!落ち着い……いっ…」


急にお腹が痛くなってお腹を抱える。
なんか…すごく嫌な感じがしてたまらない。


「葉月っ!」


裕太が心配して私の元にかけよってくる。
本当に純粋にそれは嬉しくてたまらなかった。
でも、痛みが少しずつ酷くなって襲ってくる。


「すぐに救急車呼ぶから!」


お母さんが青ざめた顔をして私に言う。
ありがとう、と言いたいのに声にならない。
私は、ふっと意識が飛んでしまった。