「ただいまっ!」

走りすぎたせいか、辛くてたまらない。
リビングに行くと、お母さんはテレビを見ていた。

「おかえり。どうしたの、そんなに慌てて…」

「お母さん、私…半年くらい生理がきてない…」

その言葉を聞いても、お母さんは慌てない。

「んー…婦人科行ってみる?病気だったら大変だし」

私は、お母さんの提案に賛同して頷く。
最初、近くの産婦人科に行こうとした。
でも、お母さんは、少し遠い産婦人科を選ぶ。
近くの産婦人科は、男性の先生だったのだ。
まだ若い私には、女性の先生がいいと考えた結果。
この提案は、正直な話、ありがたかった。
男性の先生では、なんだか気分的に嫌なものだ。
学校である内科検診も男の先生は避けたいし。


制服から私服に着替えて産婦人科に向かった。