放課後の屋上は、色んな音がする。
部活のかけ声、足音、友達の話す声。
そして、裕太の声。

「俺達、付き合うのやめよう」

なんとなく分かっていた話の内容。
ギクシャクしすぎていたから仕方ない。
泣いてすがれば良かったのか、分からない。
ただ、困らせるのが嫌で頭を縦に振った。

「ごめん…」

「や、大丈夫だよ。勇気いったよね。ごめんね」

私は、上手く笑えてるだろうか?
辛そうな顔は、していないだろうか。
そんな事ばかり考えている私がいた。


しばらくすると、裕太は去っていった。

『別れても友達だから』

なんて、ありきたりなセリフを一つ残して。