「朝だぞ」
そんな声で起こされた。
だが昨日、飲み過ぎた為か目が開かない。
ベットで寝返りをうつと誰かの胸にぶつかる。
はっとして目を開けるとそこには
王子こと岡田さんが私の方を向き肘をついて横たわっている。
現実が飲み込めず
「おはようございます。
ここは何処ですか?
私は今井舞ですか?」
なんてとんちんかんな質問をしてしまう。
岡田さんは笑いながら
「おはよう
ここは俺の家。
でお前は今井舞だな」
と答えた。
「昨日、お前が飲み過ぎて途中で寝てしまって家がわからなかったから優しい俺が仕方なく連れてきた。
何も覚えてないのか?」
「楽しく飲んでいた事は覚えてますが」
そんな話をしていると一気に目が覚めた。
「すみません
迷惑をおかけして」
と口では言いつつ頭はパニック状態。
自分は昨日来ていた服は着ておらずTシャツを着ていて下ははいていない。
そして目の前には上半身裸の色男がいる。
特に好きとかそういう感情がなくてもドキドキしてしまう。
早くこの場を立ち去らなければと
「本当にご迷惑をおかけしました。
このままでは会社に行けないので帰ります」
「お前の家がどこか知らないけど今の時間だとここから家に帰ってたら仕事に遅れるぞ。
うちでシャワー浴びてここから会社に行けば?
それに今のお前はパニック状態で何も考ええられないだろ?
今は冷静な俺の判断に従え。
そのうち落ち着くから」
と自信に満ちた顔で言われそんな彼に誘導されるように私は素直に彼の指示に従った。
シャワーを浴びると落ち着いてきた。
岡田さんに迷惑をかけたからまた謝って昨日の事は説明を聞かなくては。
なんて呑気に考えられるようになっていた。
「シャワーありがとうございました。
ご迷惑をおかけしましたがもう落ち着きました。
朝ごはんをおごりますのでそこでこの状況に至った経緯を隅々まで教えてくれませんか?」
「おっ普通に戻ってるな。
残念ながら朝ごはんを食べる時間はないんだなぁ。。
色々な説明は後ほどってことでそろそろ会社に行こう」
とはぐらかされ会社へと向かった。
すると途中で
「これから仕事モードになるからよろしく」
と言った途端に
「岡田さぁん
おはようございますぅ」
と女性の集団が声をかけてきた。
「おはよう
今日もいい天気だね」
なんて笑顔で話し始めた。
なるほど。これが仕事モードってやつなのね。
なんか邪魔そうだしこの岡田さんとは一緒にいたくないなぁ。
途中でコンビニに寄ってこの集団から抜けよう。
ちょうどコンビニが見えたので特に何も言わずにスーと集団から抜けてコンビニに入った。
会社に着きデスクでおにぎりを食べながら岡田さんの事を考えていた。
女関係はダメダメだけど基本はが良い人みたいだな。
昨日来ていた服はきちんとバンカーに吊るされシワもなく今日も着れる状態になっていたし酔いつぶれた私を着替えさせベットで寝かせてくれた。
今さらだけどどこまで見られたのだろう。
胸も人並みにはあるし下着も変なものではなかった。
だけど自分が意識のないだけにどうだったのだろう。
暴れたり変な事を言ったりしなかったかなぁ。
考えれば考えるほど落ち込んでくる。
もう考えるのはやめて何もなかったことにして岡田さんにも近づかない事にした方が安全かも。
そんな事を思っていると

