その日は結局、ロバートは優しかった。
それはもう完璧な執事だった。

言葉遣いが荒いのはノーマルとして、
接し方が優しかったし、バカもアホもお花畑も言わなかった。

それに、執務はいつも通り完璧で、
お世話もいつも通り丁寧だった。





おやすみなさい、と声をかけたら、
おやすみ、と言われた。




「なんなの!?」

マリアは布団に勢いよく潜って悶々としていた。


選抜が1位だったから…ご褒美かな

でも…あれはロバートさんの指導とリードのおかげであって。
他の執事ならまずあんなレベルのダンスは踊れなかった。


感謝しろっていう…こと?

逆に?逆にそういうことなの?

優しくされたらロバートの存在がありがたく思えるだろうって。

多分それだ!

…じゃあ感謝ぐらい伝えるわよ


そんなことしなくても感謝してるのに


…寝よ



気恥ずかしいので考えるのは明日に持ち越した。