「こんな時に魔法使いさんはなにしてるのかしら」


マリアは風呂から出て、更衣室でバスローブにくるまる。

更衣室と言ってもトイレ程度の大きさで、脱ぎ着するのがやっとだ。

早くグレードアップしたいな。
選抜1位なのに…
選抜1位だよ!?なんかもっと無いのかい!?


「出たか」

「いやーーーーーーー!」

がんっ


「…」

顔面に拳を受けたロバートは鼻だけあかくなったが、ビクともしなかった


「すみません…」


沈黙。




怒られないと逆にこわい!

後から陰湿な、地味な嫌がらせを長期間にわたって受けるかもしれない!


「ごめんなさいごめんなさい!」



なんでこんな謝ってんだろ…

被害者は私でしょう!?
だって着替え中に入られたんだから!!


1人でムカムカしていると、ロバートは
爽やかに笑った。


「突然入って悪かった」



ぱたん、
と扉がしまった


「あれ?」


変じゃない?…優しすぎる

怖い怖い怖い!!
なに?頭打った?

マリアは不安に思いながらも、
優しい執事っていいなと心から
思った。