俺のペットはプリンセス〜プリンセス・マリアと王子のキス〜



ここで、思いがけない展開。



「みなさまにお知らせいたします。
今回、85番サリー・ファブレーは不正行為を働いたため、失格となりました。」



ざわざわ…



表彰式前に、アナウンスが流れたのだ。



「ファブレーって、マリア様のお家の方?」


「さぁ…でも確か、そのマリア様のドレスが引き裂かれていたようよ。その犯人が、サリー様という噂もあるわ。」


「まぁ、姉妹の熱い戦いでしたのね。
やっぱり私はマリア様が1番良かったわ」

「そうですわよね、とても美しいダンスだったわ」


そんな会話をどこかから聞きつつ、
噂って凄いな〜と実感する。


「サリーが失格なら、今回の執事取引についてはどうなるんだ?」

「さぁ…多分無効、という形ですかね」


「そうか。それならいい。」


これで、ロバートさんを解雇することにはならない。


「良かった〜」


マリアは安堵してため息をついた。
もう発表が待ちきれない。



「今日はよく頑張ったな。」


ロバートはマリアの頭を撫でる、
いつものように。何か良いことをしたら、ご褒美。


マリアの顔は赤くなる。
…また犬…

それでも、いいかな。
だって、こんなに幸せな気分なんだもん。たとえ犬でも…幸せだから




「見て見て、あのお二人ラブラブなんじゃないの?」


「本当!もしかしたら付き合ってたりして!」


あはははは、という露骨な噂話がロバートの耳にも届いたようで、気まずそうに頭の上の手はすぐに下された。




「悪い」




「全然、謝らないでください。
噂なんて気にしませんから」


「いや、そうじゃなくて…」


ん?とマリアは首をかしげる。


「犬とか…そういう扱いはあんまり嬉しいものじゃないか…と思って」


ロバートは珍しく言葉に詰まっている。


確かに、犬のような扱いが悔しいと思うことも事実だった。


「…ロバートさんは、私のことどう思ってるんですか?」


「どう思ってるか?…
まぁ、犬よりは人間っぽく見てる」

「まだ犬もちょっと入ってるんですか!?」

マリアは脹れる。
いや、でも撫でてもらえたりするのは犬という立場からであって…


「動物は好きだからな」

マリアはその言葉に吹き出した。


「なんか面白い」




「お前…人がフォローしようとしてるのを」


「だってロバートさんが動物を可愛がるなんて!私が話しかけるとやれお花畑〜って」

「それはお前が動物の発言を勝手に想像してあたかも会話しているかのように妄想してるからだ。俺は話しかけて、相手の反応をしっかり受け取る。決して動物の心を決めつけて会話しようなどとは」



「…動物飼ってるんですか?」




ロバートが固まってなにも答えなくなった。

と同時に、表彰式が始まる。