「…なにこれ」
ロバートが指差したのは、蝶々だ。
「まさか、あの時の魔法使いさん?」
マリアはひらひらと舞う蝶に話しかける。
「馬鹿、外でお花畑を露出させるな!」
ロバートがいうと、蝶は小さな声を発した。
どこから聞こえるのかはわからない。
「そう、私が魔法使いよ」
「まぁ!あのときはお世話になりました」
「こちらこそ〜。あなたこそ真のプリンセスだって私分かってるの。今まで長かったわね〜」
蝶はおばさんの声をしている。
「…お前、なんか言ったか」
「魔法使いが喋ったんですよ!」
「はぁ?…俺も頭が狂ったか…?」
ロバートは自分の頬をぺちぺち叩いている。
「とにかく、ドレスがなくて困ってるんじゃなくって?」
「さすが、魔法使い!」
蝶は得意げに羽を広げると、
マリアの周りを回った。
キラキラ…
金の粉がマリアを包み、暗闇に輝く。
すると、マリアのドレスは真っ赤なバラ
が散りばめられた、美しいドレスに変身した。
「わぁ、素敵!」
マリアはクルクルとまわって裾をひらひらさせる。
なんなんだこの力は…と自分のことが信じられないという目で見ていたロバートだったが、やがて冷静に質問を投げてきた。
「これ、審査通してないけど大丈夫か?」



