ロバートは目の前の犬…
女の子を泣かせてしまったことに、
ひどく後悔していた。
さすがに言いすぎたか?
でも、こいつには本当に王子と結婚する気があるのかという不安がみられる。
しばらくマリアは嗚咽を漏らしながら、
2人は黙って向かい合っていた。
マリアは、やっとの思いで
「私はどうせ犬ですよ!」
と泣きながら言って、
着替え室を走り出て行った。
ロバートは頭を抱え込んだ。
ドレスもねぇどころか相手
本人がいねぇ。
あと1時間。
謝りに行こうか…
でも、あんなに泣いてるのは
いつものマリアじゃない。
何がそんなに気に障ったのか、
何が傷つけたのか分からなかった。
それに、マリアの言葉に傷ついた自分もわからなかった。
「ロバートさんが王子だったら好きになりません!」
泣きながらそう言われた。
胸の奥をえぐられたような気分だった。
俺にないものを、王子は持っている。
金や地位ではなくて、
大事なもの。
俺には何が求められていたのか。
「マリアちゃーん?」
突然、ドアがノックされた。



