「ここがお城!」
目の前には、いつも遠くから眺めていた大きな城がそびえ立っていた。
高さは150m程ある。
端から端まで城だ。
学校から馬車で約1時間。
「お城にいるなんて夢みたい!」
マリアは言うと、早速中に入っていった。
ガヤガヤがや…
中には人が沢山いた。
入ってすぐは大きなロビーで、
左右には長い廊下、正面には赤いカーペットの階段があった。
「この階段…夢とそっくりだわ!」
「また夢の話か」
人ごみからロバートが現れた。
「夢は私の希望なんです。
ここで王子と踊る夢も何回も見ました…」
マリアは両手を頬に当て、うっとりしている。
「夢見るのはいいが、お前は夢を現実だとおもってるからな」
「それが何か悪いんですか?」
「悪いもなにも、夢は夢だ」
ロバートは腕を組んで真面目な表情になった。
「王子と私は知り合いなんですよ。
手にキスまでされたんですから。
素敵な青い指輪もしっかりみました」
「ふーん、指輪ねぇ…」
自慢げなマリアをよそに、ロバートは
子供の話にうんうんと頷いているようで、全く信じていないらしい。
「あっ、エドワード王子よ!」
隣の村人らしき女が叫ぶ方向を見ると、
正面の階段から、エドワードが降りてくるのが見えた。
パシャパシャ、フラッシュは激しい。
「きゃー!エドワード様あぁあ!」
周りにいたお嬢様らが、階段に向かって走る。
だが、虚しくエドワードの前を歩くボディーガードに跳ね返される。
「すごい人気だな…」
ロバートはその様子を間近で見て、改めて実感したようだ。
「マリア!」



