「起きろ!」



ベシッ、頭に一発。


「いたたた…」


「今日はなんの日だ!?」

ロバートだ。目の前で仁王立ちになっている。


「…は、花嫁選抜!」


マリアは飛び起きると、顔を洗った。


「えっと、えっと、まずドレスに着替えて…」



「落ち着け」


ロバートはマリアを持ち上げると、
寮のボロいドレッサーの前に座らせた。

そのまま、メイクを始めた。

「すみません」

マリアは落ち着いてため息をついた。


「ペットのしつけには慣れてる」




5分ほどでメイクが終わった。



「まだ出発まで2時間ある。
じっとしてろ」



「ならなんでこんなに早く起こしたんですかぁ!」