ここは自分で決めなきゃ。
1位通過しなかったら、
それまでの実力だっただけの話。、
ロバートさんは執事の中でもダンスのレベルが高い。それに、
私はシンデレラになれるって、
信じてるから。
誰よりも。
「わかったわ」
マリアが言うと、サリーは笑った。
「そう、じゃあ後2日、精々頑張りなさい」
サリーはバタン、と荒くドアを閉めて出て行った。
「あぁ、やっちゃった…」
ロバートさんにバレたらどうしよう、
すごい怒られそう…
そんな約束勝手にしちやうなんて。
「バレたらどうしよう!」
マリアはまたベッドに倒れこんだ。
「もうバレてる」
ロバートが玄関から入ってきた。
「きゃあぁあ!」
バレてた…
ベッドに顔を埋める。
だめだ、殺される…!
「1位なんて当たり前だろ」
「え…?」
「1位じゃなかったら俺が執事辞めてやる」
あんな女の執事は御免だ、と吐き捨てた。
「じゃあ、怒らないですか…?」
マリアは顔を埋めたまま、
耳を塞いだ。
ふん、とロバートが息をついた。
「どアホ」
ベシッとマリアの頭を叩く。
「ええ〜!そこは許してくださいよぉ」
マリアは泣きっ面をようやくロバートに見せた。
「勝手に執事を解雇するなんざどこのブラック企業だ!俺は担当のお嬢様がいなきゃフリーターと一緒なんだよ!」
「すいません…」
「まぁいい。どうせサリーとは色々とあったんだろ。」
「愛猫を連れ去られました。」
暴力のことは、言えなかった。
「ふーん…」
ロバートは急に同情したような表情になった。
「でも1位になったら諦めるって言われたから、絶対1位になってロバートさんを守りますから!」
「あ…そう」
ロバートはマリアの熱意に押されたのか、反応が鈍かった。
でも絶対にサリーには負けない。
マリアは誓った。