俺のペットはプリンセス〜プリンセス・マリアと王子のキス〜


努力しろ、という警告なのだろう。


「はい!王子のために頑張ります」

マリアは張り切ってそう言うと、近くの執事に手を取られすぐに踊り進んだ。

「そこで王子か…」

マリアはすっかり他のペアに紛れて見えなくなってしまった。


「ロバートさん?」

マリアと交代で来たのは、


「…サリー、お嬢様」

まさか、あいつの姉がこっちに来るとは…


「さぁ、早く踊りましょう」



サリーとロバートは踊り始める。


「あなた、本当に素敵な執事だわ。」

「ありがたきお言葉でございます。」

「あんな雌豚にはもったいない。」

サリーがロバートに顔を近づけて小声で言った。


ロバートは驚いてサリーの顔を見たが、
マリアとは全く似ていない笑顔を返された。


マリアはこいつがここにいること知ってたのか?いや、知らないはずも無いだろう。


サリー…マリアの姉、そして妹マリアを召使い同然の扱いをした女。

嫌な奴に当たっちまった。


「ねぇ、マリアより私の方があなたにはふさわしいと思うんだけど、私の執事になってくださらない?」

「いてっ」

サリーは幾度となくロバートのつま先を踏んでいる。それに気付いていないのかそれどころじゃないのか、サリーはロバートの返事に耳をすませているようだった。


「いえ、私はマリア様の執事です。
マリア様からご命令が無い限りは、
執事が交換されるということは許されません。」

できるだけ棘のない言い方で抑えた。

お前に構ってられるほど俺は世話焼きじゃねぇし一緒にいたくもねぇ。

そう言ったらよかったか?
いっそ諦めてもらえたかもしれない。


「もう、そんなこと…ロバートさんもマリアにこき使われて大変でしょう。今まであの子、私たちに歯向かってばっかりで。本当可愛げの無い子だったわ。」

こき使ってたのはお前らの方だ。
歯向かわれる、などという表現は家族に使う表現ではない。奴隷だ。


「お言葉ですが…」

反論しようとしたところに、
チリンチリン、とペア交代のベルがなった。


「早くあの子がロバートさんから離れるように頑張ってみるわね。」


サリーは近くに現れた見た目の良い執事を捕まえると、強引に手を組み踊り、話しかけていった。



「節操ねぇな…」


「本当ですわよね」

次にロバートの手を取ったのは、
2年生の生徒だ。


「アリス様、お目にかかれて光栄です」


「こちらこそ」


2人は一礼をしてから、ワルツを踊る。


「どうですか、今までのお嬢様」

アリスは世間話だ。


「えぇ…まぁ、キツいです」

ロバートは思わず苦笑いになった。


「そうでしたか。