ロビーにはすでにエドワード王子、
そしてその執事やボディガード、
何百人もの人だかりがそこにあった。
「エドワード王子!」
マリアとダイアナは人だかりの後ろにつき、その姿を見ようとした。
女の子達の声がロビーに響いていて、
カメラのフラッシュが沢山たかれている。ロビーは完全に人数オーバーで、身動きが取れない。
マリアは人ごみに揉まれてロバートから離され、どんどん押されてどこにいるかわからなくなった。
どんっ!
「きゃあっ!」
いきなり広い空間に押し出され、
床に投げ出された。
「大丈夫?」
手が差し出された。
人差し指に、青い綺麗な石のついた、
豪華な指輪がはめてある。
「すみません…」
手を取り起き上がると、
「エドワード王子!」
手の主は、エドワード王子だった。
前に行こうとする人々の流れに乗って、
ボディーガードによって作られた
エドワードの半径2メートルの神聖な空間に押し出されたらしい。
「大丈夫です。ありがとうございます」
マリアは握った手に緊張しながら、
ドレスの裾を持ちプリンセスの礼をした。
「美しいプリンセスだ。お名前は?」
エドワードは正装だが、スーツのようなシンプルな格好だった。
しかし、その爽やかな笑顔によって、
彼はキラキラと輝いていた。
「マリアと申します」
なんでそんなに綺麗な目なの?
マリアはエドワード王子に完全に見とれていた。
「マリア、もうすぐ僕の花嫁の選抜会がだ。その時に君に会えたら嬉しいな。」
エドワードはマリアの手の甲にキスをすると、最高の笑顔で去っていった。
マリアはエドワードに合わせて動く人ごみに再び飲み込まれ、ロビーの端にようやくたどり着くと座り込んだ。



