もぐもぐもぐ
「うーん、お肉最高!
あぁ、なんておいしいの」
ダイアナはもぐもぐといろいろな料理を平らげていく。
「あ、そうだマリアちゃん、私は2年生であなたと同じクラスよ。
よろしくね。
あと私もローズ寮なんだけど、普段は自宅に帰ってるから実質は実家暮らしなのよね。
でも親と喧嘩した時とかたまに家でしに行くから、その時はお世話になるかも。」
ダイアナは食べながらいろいろと話す。
「うん。わかった。」
フリンはダイアナの後ろで、普段の余裕を取り戻した様子だ。
「フリン、ちょっと」
ロバートが声をかけ、フリンは不思議な様子で応じ、2人でどこかにいってしまった。
「ねぇねぇ、ロバートさんってどう?」
ダイアナは2人がいなくなったのをしめたとばかりに、顔を近づけて聞いた。
「あ、ロバートさん?うーん、
いつも怒ってる表情っていうか、
気難しい顔っていうか、
それで真面目なんだけど
私への態度が犬を飼ってる感じっていうか。」
私は言いながらはぁ、とため息をついた。
「えー?そんなの初めて聞いたわ。
ロバートさんて執事としての能力が高くて、すご〜く丁寧に接してくれるし、
真面目だし、かっこいいし、
本当に素敵じゃない?」
ダイアナはうっとりとした。
「そう?
確かに執事としての仕事はとても丁寧にやってくれるし、いろいろできるけど、
私のことアホとかバカとか平気で言ってくるんだからね。頭殴られるし…」
「やーん言われたい〜」
「えぇ?そういう趣味なら良いかもしれないけどさ〜、本当にげんこつが痛いんだよ!」
「うーんちょっと痛いかもね。」
「それに優しくされるのもほんとたまーにだし、なんなのって感じ。見た目は王子、中身は毒舌悪魔よ」
「…」
ダイアナが黙って後ろを指差す。
「どしたの?」
「毒舌悪魔で悪かったな」
後ろにはロバートさんが真顔で立っていた。
「見た目は王子、中身は毒舌悪魔だって…良かったねロバート」
隣でフリンが面白そうにお腹を抱えて笑っている。
ロバートは不機嫌そうに平らげられた皿を片付けている。
「私は何も悪いこと聞いてないからね」
ダイアナは本当に悪気のなさそうにお肉を頬張っている。
「もぉ〜」
またロバートさんの不機嫌が…
私はテーブルに突っ伏した。
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