今日は授業の前に集会が開かれた。
場所は広い劇場のようになっている講堂だ。どこかの教会のように、天井には天使が描かれていたり、宝石が床に埋め込まれている。
「お前の自己紹介の場だ。
笑顔で、上品に!」
「は、はい!」
こんなに大勢の人の前で話すのは初めてだ。執事も合わせて1500人位いる。この学校の規模の大きさを思い知る。お金持ち多すぎ!
そうしているうちに集会は終わりに近づき、私の紹介の場になった。
「では最後に。
今日から新しい生徒が入ります。マリアさん、」
ステージに上がる。
まるでオペラ歌手の気分だ。
オペラの話など小鳥にしか聞いたことがないけど…
「御機嫌よう、マリア・ファブレーと申します。今日はこうして皆さんにお目にかきれたこと、感謝申し上げます。
これからどうぞよろしく」
一礼する。
大きな拍手が送られてきた。
「マリアさんと仲良くしてくださいね。
ではこれで今日の集会を終わります」
生徒たちは授業に向かう。
「はぁー…緊張した。」
ステージの袖で、マリアは崩れる。
「拍手も大きかったしよくやった。」
短く言うと、ロバートがマリアを立たせる。
「わぁ、褒められた」
マリアは喜んだ。
「犬か」
「い…犬でもいいですよ。
逆に褒めてもらえれば喜んで犬になります!」
ロバートの言うことにいちいち落ち込んでられない!
フリンさんも言っていた。
もともとこじれていた正確に色々と重なって大変だったのだ。
ロバートさんもかわいそうだと思わないと。
「何か開き直り方が違うと思うが…
まぁ落ち込まれないでよかった」
ロバートも悪気はないようだった。
いや、平気で犬呼ばわりも十分悪質だが…
とにかく私は犬になってしまった?