「ちょっとちょっとお二人さん、
お静かに!喧嘩は良くないよ」
ある執事らしい男性が声をかけてきた。
茶髪で毛先が金色がかっている。
「フリン」
ロバートは声をかけてきた執事をそう呼んだ。
「おや。誰かと思えばマリア様。
失礼しました。私はダイアナ様の執事です。」
フリンは軽く礼をした。
「初めまして。こちらこそすみません。
ちょっとロバートさんがうるさくて。
あ…様付けはやめてください。なんか落ち着かないので。」
マリアは気の良さそうなフリンに、
少し親しげに言った。
「そうですか。じゃあなんとお呼びすれば?」
「マリアでいいです。」
「かしこまりました。でも皆さんの前なので、個人的なところではそうさせて頂きます。
マリア様はこんなに優しいのに…
この男は少々気難しいところがございましてね。まだ22だというのに…」
「そうなんですか!?」
「何か」
ロバートは不服そうだ。
「いや、老けてるってことではなくて…」
「褒められてるようには思えませんが」
「すいません…でも本当にしっかりしてるから。私は19歳だし…」
マリアはどうにかロバートの期限を治そうとする。
「まあまぁ、ロバートもちょっとはお嬢様に優しくしなよ」
フリンはロバートを小突く。
「そうですよ。私の王子様もロバートさんよりよっぽど優しいですよ。」
「おっ、でた王子様」
フリンが面白がる。
ロバートはふん、とまたまた不服そうだ。
なんでどんどん不機嫌になるのよ〜!
「マリア様、ちょっと」
フリンがマリアを呼ぶ。