食堂はとても広くて、教会のようだった。吹き抜ける高い天井に、シャンデリア。贅沢な朝だ。
食べ終わった朝食は、すごいご馳走で、
初めてこんなに食べたというくらい、たくさんだった。
そして1000万の学費を思い出す。
「はぁ…」
こんなに贅沢しなければもっと安い学費になるのにな…
すると後ろに立っているロバートは
小さな声で言う。
他の生徒が沢山いるせいだ。
「お前よくため息つくけどやめろ。
人を暗い気持ちにさせるな。」
「はい、すみません…」
だって辛いことが多くて…
「すみませんも言うな。」
「はい…」
縮こまったマリアを見て決まりが悪くなり、ロバートは言い直した。
「いや、言わないほうがいい。
そういう意味だ」
「わかってます」
こういうところ、優しいんだよね。
ただ厳しいだけじゃない。
それが伝わってくる。
「何にやにやしてる」
「え?別にしてないですけど」
マリアは頬を抑える。
「してるだろ、ちょっと甘やかすとすぐそうやって顔にだす」
「ロバートさんは厳しすぎるんです!」
「お前が甘いんだよ」
「はぁ?」
なによ、さっきは優しいなと
か思ったのにすぐこれ?
「なんだよ」
マリアとロバートはギッ、と睨み合う。



