ロバートはふと時計を見ると言った。
「もう朝食の時間だ。さっさとしろ」
「はっはい!」
マリアは急いで部屋を出て、
ロバートと食堂に向かった。
ぱかっぱかっ
「あのー、ロバートさん?これは。」
寮の外にでると、馬車があった。
王女が乗りそうな、茶色や赤の
上品な色使い。
「こちらで食堂までお連れします」
馬車の運転手がいる手前、
丁寧な口調になる。
「そんなに遠いんですか?」
マリアは馬車を使うことに疑問のようだ。
「ええ。本校は敷地がとても広いのです。約馬車で10分かかります。」
「はぁ…そんなにですか」
マリアは今までこの学校の広さを知らなかった。
「ご存知なかったですか?
街の方では有名ですが。」
「結構遠いところに住んでるので…」
私は召使いで家から出させてもらえなかった。そう言ったらどうなるだろうか。
「そうだったのですか。
ではその話はまた後で。
早く出発しましょう。」
ロバートが笑う。
「はい。」
なんか、ロバートさんがそうやって自然に笑ってると全然怖くない。
むしろかっこいいのに。
って言ったらまた生真面目そうな顔に戻ってしまいそうだから、黙っておこう…
馬車に乗り、食堂へ向かった。



