「ロバートさんって、すぐ怒るし、
殴られたり叩かれたり、暴力的な時もありますけど、すごく優しい人なんです。」
「そんなに暴力的なわけ?」
エドワードは驚いた。
「げんこつとかのレベルですけどね。でもそうやって、きちんと私にいろいろなことを教えてくれる。技術だけじゃなくて、
常識も教えてくれる。私って世間知らずだから」
あははっと笑うと、エドワードは言う
「そうなんだ。ロバートってマリアにとっては先生みたいなものなんだね」
「そうです。私はロバートさんを誰かと交換なんてするつもりはないし、ロバートさんも私を見捨てようとはしないと思います。」
「なんで?」
「ロバートさんはそういう人だから。
まっすぐなんです。一度決めたことは
やり通す人なんです。」
一回目の花嫁選抜で決めたことは、
1位になるということだ。
彼は1位にならなければサリーの執事になるというマリアの無茶な交渉にも抗議
するのではなく、実際に1位になれるレベルまで持って行き、結果を出した。
そんな貫き通す精神を教わった。
「ロバートさんは、尊敬できる人ですよ。安心してください」
マリアは笑顔でエドワードに諭した。