「何だ…この会話は」

「ロバートさんは黙ってて!」

ロバートは顔を赤くしたまま黙った。

「プロポーズ、嬉しかったです。
それに…結婚してもらえるなら、
今すぐは無理だけど…私は結婚したいと思ってます。

でも、私だけじゃないんです。
あなたの事が好きなのは、国民の女子
みんな同じです。
あなたは多分、早とちりって言ったら悪いけど、他の人が目に入ってないんだと思うんです。
今まで仲良くした女の子がいなかったから、私を好きだと思い込んでるのかもしれない。
でも、女の子は私だけじゃない。
いっぱいいるんです。だから、他の人達ともきちんとお話しして、それでも私の事が好きだって思えるなら、結婚して頂きたいです。
私は、選抜を受けて、他の人と比べた上で、私を選んでもらいたいんです。」


マリアは語った。
マリアは本当の愛を求めていた。
今は、エドワードの恋愛経験が少ないため、マリアがエドワードの前に現れたことによって、エドワードは恋に落ちたような錯覚に陥っているだけなのか、本当に好きなのか、分からない。

本当に好きなら、他の人と比べても自分が選ばれるはずだ。

そういう理屈で、マリアは選抜を受けたいと思っている。

「分かった。きちんと選抜は行うよ。」

エドワードはひざまづいて、マリアの手にキスをした。

「きっと君が選ばれると信じてる。」

そう言うと、マリアは笑顔でうなづいた。


やっぱりこいつは王子様なんだな、とロバートは痛感させられた。


その王子がここに住んで何をするか、
どう変わるのかなんて分からないし、
校長や王室がどうしてこんなプロジェクトを受け入れたのか、提案者である俺でもわからないが、とにかくエドワードを
任されたからには、育てていくのみである。