マリアが新しくなった執事部屋をどさくさに紛れて覗いている隙に、ロバートはエドワードを捕まえる。

「いいか、王子様。俺がお前をここに住まわそうとしたのは、あいつに突然プロポーズしたり選抜を投げ出そうとしたりしたからだ。」

「はぁ…何か悪かったかな?」

「悪いも何も!王子としての意識が足りてない!お前は今まで恋愛したことないのかもしれないけどな、あいつを好きになったとして、結婚してからやっぱやめたとか無しだからな!?分かってるのか?」


「分かってますよ、それくらいは」

「あっそ、…ならいいけど。
とにかく、悪戯にウチのお嬢様を
花嫁にするだとか言わないで下さい。
あいつはあいつであなたに憧れを抱いてるんです。その夢が呆気なく叶ってしまったら逆に可哀想というか、今みでの苦労はなんだったんだって話ですよ。
選抜を抜けたら結婚、ていう前提条件がいきなり取っ払われて、結婚を申し込まれるなんて…あいつも混乱します」

「そっか…そんなこと考えてもなかった。マリアは苦労してきたんだよな。
だったらそれをきちんと審査して、
1位になったら結婚っていうのを通さないとマリアに悪いよな」


「そういうことです。」

やっと分かってくれたか。
…でも、あいつ的に結婚できるならそれでいいと思ってるのかもしれない。

俺の考えでプロポーズなんかやめろと言ったが…あいつは王子のプロポーズに
イエスと言ったんだから…


「お前はどうなんだ」