「待て」
この声はロバートさんだ。
いつの間に!
教室から入ってきたロバート(エドワードの服を着ている〕は、エドワードをつまみ上げた。
「抜き打ちテストとかなんとか抜かしておいてプロポーズとは…エドワード王子もとんでもなくやんちゃなお方ですね」
「ちょ、ロバートさん!」
ロバートはできるだけ丁寧な言葉で話しているつもりらしいが、怒りがひしひしと伝わってくる。
「ちょっと…下ろしてくれない?」
ロバートにつまみ上げられたエドワードは、かろうじてつま先が地面につくかつかないか、という状態である。
「いいですか、あなたは第三回花嫁選抜まで選抜をきちんと行わないといけない!それがあなたの義務です。それをほっぽり出してこの小娘と結婚しますだなんて世間が納得するとでも!?」
小娘。そう、私は世間から見れば身の程知らずの小娘である。
「でも俺は…もう決めた」
「あなたが決めても世間は納得していない!まだ選抜会は二回あるんです!
それに命をかけている女性がどれだけいると思ってるんですか!」
「ごめん…」
ロバートはエドワードを離した。
エドワードは襟を正しながら言った。
「ごめんね、ちょっと気が早すぎたみたいだ。俺は君のことが好きだけど、結婚はまだ先だ。それまで待っててね」
「はい」
マリアはまた苦笑いで返す。
大丈夫なのか!この王子。
ていうか…私はエドワード王子に認められたということがわかったんだけど。
いきなりすぎて喜べなかった。
選抜をあと二回抜けて、
きちんと資格があることを証明すれば、
プロポーズを受けられる。
その段階であの告白を受けたら、
嬉しいはず。
なんでこんなに冷静なんだろう。
だってあの王子様に、プリンセス
にならないかと言われたのよ!?
それなのに私は喜べなかった?
どうしてだろう…



