「ごほっごほっ」

「40度…???」

マリアは体温計の画面を二度見した。
こんな高温は初めてだ。

ロバートは広くなった執事部屋のベッドに力なく横たわっている。

「み…ミズ…」

掠れた声だがはっきりと聞こえる。

「はい」

ペットボトルのスポーツドリンクを渡す。

「やっぱりダイアナの風邪がうつったみたい」

ダイアナの風邪が治ったのは数日前だ。
その期間にウイルスがばらまかれていたのだろう。


多分原因はそれだけではない。