ーーシンデレラ
「誰?」
夜中に、窓の外から声が聞こえる。
「僕だ。エドワード。」
「エドワード王子!?」
マリアは窓の下を覗き込んだ。
「やあ。舞踏会なんだけど一緒に来てくれないか。」
「今すぐ行きますわ!」
マリアは王子の馬車に飛び乗った。
「まぁ…エドワード王子、なんて素敵なのかしら。私は本当に幸せ者だわ。本当に、プリンセスのようだわ。」
「君はもう僕のプリンセスだよ。
着いた。ほら、来て!」
ドレスは魔法がかけられたように輝いている。ガラスの靴も履いている。
王子の手を取り、馬車を駆け下りると
城では大勢の国民が2人を待っている。
「エドワード王子!」
「マリア女王!」
多くの人に声をかけられる。
本当に夢のようだ。
「エドワード王子。
本当に私の夢は叶ったんだわ。
信じれば夢は叶う。
今まで、苦しいことばかりだったけれど、もう私はあなたの姫で、幸せな暮らしを手に入れた。もう何もいらないわ。
もうなにもいらない。」
「マリア、愛してる」
「私もよ」
2人はキスをした。
長く、長く。
深く、深く。
体の芯が熱くなり、
今にも頭がとろけそうだ。
息が苦しくなるほどに
夢中に…
愛おしそうに私の名前を王子は呼ぶ。
「マリア」
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