「校長、ロバートです」
「入りなさい」
校長室には、既にマリアがいた。
オックウード校長はジャッキーを抱き抱えて座っていた。
それを見て、俺は心底安心し、
肩の力がストンと落ちた。
「ロバートさん」
マリアが笑顔で俺を見た。
良かったですね、という表情だ。
昨日の事で少し気まずかったが、
マリアの方が水に流そうとしている様だったので、それに甘えた。
「ロバート、あなたのペットね」
一方のオックウード校長は穏やかな口調では無かった。
「はい、申し訳ございません」
はぁ、と校長はため息を着くと、
ロバートにジャッキーを渡した。
ロバートはジャッキーを抱えると、
ジャッキーつぶらな瞳を見つめて
頭を撫でた。
「大事な友達なのに…
離したら駄目でしょう」
ロバートが、執事として学校に来てから
、野良犬のジャッキーと仲良くしていたことを校長は知っていた。
「すみません」
「それはその子に言うことよ」
ロバートは、ごめんな、とジャッキーにつぶやく。
ジャッキーはここはどこだ?と言う風にキョロキョロして、尻尾を振っていた。
呑気なやつだ。
「どうしてこんな事になったのですか」
ロバートは、寮のグレードアップの予定がずれたことが原因であると説明した。
「それは申し訳ないことをしましたね」
校長は自慢のつやつやの髪の毛を撫でた。
寮のグレードアップが遅れた理由は、事務員側のミスだったらしい。
「さっそく寮を変えましょう。」
マリアとロバートはその言葉に喜んだ。
「ありがとうございます!」