「ごちそうさまでした」
手を合わせて、椅子を飛び降りた。
「美味しかったでしょう?
ここのシェフは一流だから。」
ロバートはずっとここに住みたいと思った。
でもさっき校長が言った通り、ここは女学校。
男が入る場所ではない。
俺は名残惜しかったが、森の中に帰ることにした。
また、こんな豪邸を見つけてご馳走してもらえばいい。
「あなた、どうするの?
まだ小さいのに家出なんかして…」
広く長い廊下を歩いている時、校長は
心配そうに言った。
「俺は、家には帰りたくないんです。
あんなところ、家なんかじゃない…
俺には家族なんかいないんです!」
これは本当だった。
家族の顔なんか覚えてない。
塔の上なんかつまらなくて、
窮屈で、息がつまる。
「じゃあ…ここに住む?」
校長は言った。
「本当に!?いいんですか!?」
俺は天にも昇る心地だった。
毎日こんなご馳走を食べさせて貰える。
それにここは広い!
塔の上とは大違いで、ここはまさに天国だ。
「ただし…あなたを生徒としては受け入れられない。ここに住むなら…」
校長は少しためらったが、俺はその声に黙って耳を傾けた。
「執事になりなさい」
「しつじ?」



