継母はサリーの出発を喜んだ。
「まぁ!プリンセス専門の学校ですって!?独学よりとても有利じゃない。特待生になって1番のプリンセスになってね?そうしたら私は城で王子の義母としてセレブな生活をできるわ!」
マリアは鍵をかけられ部屋を出られず、
ソフィーとサリーはみおくられた。
マリアは泣いた。
夜になり、星が出る。
雲が少しかかっていた。
小さな屋根裏の窓から見る景色は、
マリアだけの宝物。
窓の淵に伏せ、マリアはいつまでも泣いた。
あの雲にのって王子のところへ行きたいわ。私はただ、幸せになりたかった。
誰かのお世話係りじゃなくて。
ただプリンセスとして幸せに…
サリーは実の姉だった。
家族だった。
私はただの奴隷。
マリアは星に願った。
どうか私に幸せを…
星は雲に隠れ、やがて雨になった。
マリアの願いは届かない。
「もう何も信じられない。
信じられるものは何もないわ。」
「…それは本当かしら。」