――あれから三年。上司がおっさんから二回り以上も年下の女の子に変わり、新しい仲間も増えた。今の生活には、とても満足している。



『グレイ、昨日奥さんと娘さんと長電話してたんですって?ソニアが“デレデレしちゃって、何だか変態みたいだったわ”って言ってたわよ。』

『何だと?失礼だな。ボス、今度あいつの化粧水を酢と取り替えてやれよ!』

『何でアタシがそんなことしなくちゃいけないの。やるなら自分でやって。やめろって言っても聞かないでしょうから、止めないわ。』



 物の言い方は最初に光をくれた人と似ていて、薄く浮かべられたその笑みは、二つ目の光をくれたあの人そっくりだ。この人はきっと、オレの三番目の光なのだろう。あの二人のようでいて、全く違う部分の方が大きいのだが。



『それにしても、あの小舅秘書は一体どういう神経してるのかしら。群も加わって怒りが二倍になったわ。』

『……また何かあったんだな。』



 話を聞きながら、不意にオレをここへ導いてくれた人達について考える。二人が居たから、今の自分がある。そう思ったら、無性に一番目の光と、その傍らの小さな輝きに会いたくなった。



fin.
→後書き