「……そう。アタシもアナタに少し興味を持ったわ。同盟を組んでいるから、いずれまた会えるわね。たまには話に付き合ってもらえる?」
「あぁ、構わねぇ。次に会った時は違う香りか?」
「……そうね。きっとそれがいつものアタシよ。」
何処か自信に満ちた口調と微笑。今度はこちらからも笑みを返す余裕があった。
――手に入れたいと、この時から思っていたのかもしれない。薔薇のような強さと気高さを秘めた、彼女のことを。
「……すまないが、実は明日から一週間続きの任務があってな。今夜ここを発たなきゃならねぇんだ。」
「そう……わざわざ来てくれてありがとう。」
「いや、礼には及ばねぇよ。フェルナンドさんに挨拶して帰りたいから、案内してくれるか?」
「ええ、行きましょう。」
彼女に案内されてフェルナンドさんの元へ向かうと、彼はエンゾと世間話で盛り上がっていた。俺達に気付くとにこやかに片手を挙げ、『婚約の話はどうなったんだ?』と言う。
そんなことは忘れていたと彼女が告げれば、彼は『忘れる程に話し込んでいたとは、決定したも同然だな!』と高らかに笑う。俺と彼女は顔を見合わせ、互いに小さく笑んだ。
「あぁ、構わねぇ。次に会った時は違う香りか?」
「……そうね。きっとそれがいつものアタシよ。」
何処か自信に満ちた口調と微笑。今度はこちらからも笑みを返す余裕があった。
――手に入れたいと、この時から思っていたのかもしれない。薔薇のような強さと気高さを秘めた、彼女のことを。
「……すまないが、実は明日から一週間続きの任務があってな。今夜ここを発たなきゃならねぇんだ。」
「そう……わざわざ来てくれてありがとう。」
「いや、礼には及ばねぇよ。フェルナンドさんに挨拶して帰りたいから、案内してくれるか?」
「ええ、行きましょう。」
彼女に案内されてフェルナンドさんの元へ向かうと、彼はエンゾと世間話で盛り上がっていた。俺達に気付くとにこやかに片手を挙げ、『婚約の話はどうなったんだ?』と言う。
そんなことは忘れていたと彼女が告げれば、彼は『忘れる程に話し込んでいたとは、決定したも同然だな!』と高らかに笑う。俺と彼女は顔を見合わせ、互いに小さく笑んだ。



