los episodios de suyos

 俺と彼女は同時に「えっ!?」と叫んでいた。周りは騒がしくしていて、この重大な会話に全く気付いていない。エンゾだけが『おぉ!それは素晴らしいお考えです!!』と目をキラリとさせた。

 彼女の顔が再び不機嫌になる。マズイ。どうすれば機嫌を直してくれるんだ……そう思った時。フェルナンドさんが彼女の肩をポンポンと叩いて言った。



『未来、彼と少し話してきなさい。私のもう一人の子供のようなものだ、きっと気に入るだろう。なに、嫌ならさっきみたいにはっきり“嫌い”と言ってやれ。』

『パパ!さっきのはパパが早く説明してくれなかったのも悪いのよ?ていうか、勝手に二人きりにしないで!』



 先程まで優雅にスピーチをしていた彼女の口調が急に年相応になった。彼女はまだ18だと分かっているのに、妙にそのギャップがおかしく思える。

 小さく笑ってしまうと、ブラックホールのような目にジロリと睨まれた。『悪い』と謝ってから、その目をしっかりと見据える。



『ちょっと興味が出た。良ければあっちで話さないか?』

『……ええ、良いわよ。父が気に入っている男がどれ程なのか確かめる良い機会だわ。』