翌日の某ゴルフ場……


「コブちゃん♪今日は、誰の接待するんだろうね?」


子豚とひろきは、指定されたゴルフ場で四井所課長の到着を待っていた。


昨日、四井所に接待を言い渡された後に打ちっぱなしで1時間練習する程張り切っていた子豚とひろき。果たして負ける気はあるのだろうか?


「あっ、課長が来たわよ♪」


「おはようございます~課長♪」


早くも“接待モード”の四井所は、得意の満面の笑顔を保持したまま、自家用車のカローラから降りて来た。


「おはよう♪今日はキミ達に、我が社の会長の接待をして貰うからね♪
くれぐれも失礼のないように!」


花神王子製紙を一代で築き上げた、会長の『花神泰造(はながみたいぞう)』。社長の座を二代目に継がせてからは、もっぱらゴルフが彼の憩いの時であった。


この会社に接待ゴルフ課なんていう特殊な課が設置されているのも、この会長の趣味がおおいに反映されているからに違いない。


「会長さんが来るんだ♪…よ~し!ご機嫌とってボーナスもらうぞ♪」


しかし、そんなひろきに対して、四井所課長から残念なお知らせがあった。


「あ~時間の関係でね…今日は2人のプレーでやるから、ひろき君は子豚君のキャディを頼むよ♪」


「え~っ!アタシ打てないんだ~!」


「まぁ~安心しなさい。私がひろきの分も、バッチリご機嫌とってあげるから♪」