金魚すくい一筋四十数年の金造は、煙草の煙をゆっくり吸い込みながら、思案にくれていた。 (あの娘…あの4匹の巨大な金魚をすくい上げるなどと言っておる… 見たところ、確かに腕前は大したものだが、それだけではあの金魚をすくう事は出来まい。 儂が四十年以上の経験で見聞きした中でも、あれをすくう方法など…) そして、さらに思案する (ただひとつだけあるとすれば… いや、それは有るまい…あれは“伝説”の夢物語じゃからな……) .