「ティダ…一体どうやって、あの四天王のブロックを交わす気なんだ…」
シチローにも、祭にも、てぃーだがどんな方法で金魚をすくうつもりなのか、サッパリ見当がつかなかった。
やがて、てぃーだは水槽の前の中央に前屈状態で立ち、両手を左右に大きく広げた。
そして、そのまま上半身だけを捻り網を持った右手を高々と上げると、その態勢でゆっくり瞼を閉じて静止した。
その…奇妙だが、何故か迫力のある構えに半ば興味を失っていたギャラリーも、そして金太郎の父、金造も、何かとてつもない事が起こるのではないかという予感さえ感じ始めたのだった。
水を打ったような静寂が、そのまま1分程続いた。
そして…次の瞬間。
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