チャリパイ10~産業スパイにご用心~


水槽の中を悠然と泳ぐ4匹の金魚(?)は、さしずめ水槽を守る“四天王”というところか…


祭はしかし、まだ諦めた訳では無かった。


「大丈夫。あんな金魚は無視して、あと5匹小さい金魚を狙えば良いだけの事だ!…まだ勝機は有る!」


気を取り直して、また水槽に向かい直す祭は、その作戦通りに小さな金魚に狙いをすまし網を水に浸した。



その時。




スウ~ッ





「うわっ!」


祭が狙っていた小さな金魚と網の間に、あの四天王の一匹が猛然と割り込んで来たのだ!


危なく紙を破られそうになり、祭はその金魚を諦め網を引いた。


「危なかった…今のは
一体何だったんだ?」


額の汗を拭い、再び浮いて来た小さな金魚を狙って網を差し出そうとすると…



スウ~ッ



「まただ!」



今度は四天王の別の金魚が、祭の網に突進して来た!


その様子を見ていたてぃーだが、眉をひそめた。


「なるほど…そういう訳か…」


そう…四天王とは、この金魚すくいの“最終防衛兵器”であったのだ。