水槽の中を悠然と泳ぐ4匹の金魚(?)は、さしずめ水槽を守る“四天王”というところか…
祭はしかし、まだ諦めた訳では無かった。
「大丈夫。あんな金魚は無視して、あと5匹小さい金魚を狙えば良いだけの事だ!…まだ勝機は有る!」
気を取り直して、また水槽に向かい直す祭は、その作戦通りに小さな金魚に狙いをすまし網を水に浸した。
その時。
スウ~ッ
「うわっ!」
祭が狙っていた小さな金魚と網の間に、あの四天王の一匹が猛然と割り込んで来たのだ!
危なく紙を破られそうになり、祭はその金魚を諦め網を引いた。
「危なかった…今のは
一体何だったんだ?」
額の汗を拭い、再び浮いて来た小さな金魚を狙って網を差し出そうとすると…
スウ~ッ
「まただ!」
今度は四天王の別の金魚が、祭の網に突進して来た!
その様子を見ていたてぃーだが、眉をひそめた。
「なるほど…そういう訳か…」
そう…四天王とは、この金魚すくいの“最終防衛兵器”であったのだ。
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