チャリパイ10~産業スパイにご用心~



「ちょっとタイム!」


そう言って、いきなり祭の動きを制した金太郎にシチロー達が文句を付けた。


「なんだよ、いい所で!…まさかここで店仕舞いなんて言うんじゃないだろうな!」


「いえいえ、まさかそんな野暮な事をする訳が無いでしょう…
ただ…水槽の金魚が大分少なくなってきたんで、補充しようと思いましてね♪」


金太郎は、ニヤリと不敵な表情で笑うと、足下に置いてあったバケツの中身をを水槽へと流し込んだ。



ドボン!




「さぁ~これでよし。
お客さん!
遠慮なくすくってやって下さいな♪」


金太郎に促され、水槽の中へと目をやった祭は、呆然とした顔で呟いた。


「すくってやって下さいなって…これ…















金魚じゃ無いんじゃないの・・・?」





水槽の中には…
『体長二十センチを超える巨大な魚』が4匹も、我が物顔で悠々と泳いでいた。