チャリパイ10~産業スパイにご用心~


「次は私の番だ!」


娘のあゆみは9匹で満足していたが、祭は是が非でも20匹の金魚をすくいたいと思っていた。


あれだけ苦しい特訓に耐えて来たのである…


祭は、今の自分であればそれが不可能では無いという自信があった。



「さあ!リベンジだっ!」



真剣な表情で水槽の金魚を睨みつけ、網を構える祭。


その姿を見た、金魚すくい一筋四十数年の金造は、その実力をひと目で見抜いた。



「この男…できる!!」