「お嬢ちゃん、やるねぇ~♪これじゃあオジサンとこの金魚全部すくわれちゃうよ♪」
そう言って、表向きは
あゆみの健闘を称えてはいるものの、内心、金太郎は焦っていた。
(何だこの娘は…このぶんじゃ10万円取られちまうぞ…)
あゆみはハイペースで次々と金魚をすくい上げ、今までの最高記録だった5匹はいとも簡単にクリアしてしまった。
「よ~し♪あゆみちゃん♪こうなったら賞金10万円ゲットだあぁ~♪」
シチロー達の声援から、あゆみの名前を知った他のギャラリーの口からは、自然と『あゆみコール』が発せられていた。
「あ~ゆ~みっ!
あ~ゆ~みっ!」
「ねぇティダ♪このぶんじゃ、あゆみちゃんが
10万円取っちゃうんじゃないの♪」
そう言って、シチローが興奮した満足そうな笑顔でてぃーだに話し掛ける。
しかし、てぃーだはあくまでも冷静だ。
「ここまでは順調…だけど油断は禁物よ。水に浸ける回数を重ねる事に、着実に紙の強度は落ちているわ…」
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