金太郎の父親、山崎金造はこの様子を店から少し離れた場所でずっと見ていた。


「金太郎のやつ…あんなものが日本の祭りの出店と言えるか!
儂の体がもう少し良かったなら、あんな邪道なマネはさせなかっただろうに…」



金魚すくい一筋四十数年の金造には、金太郎のような利益最優先のなりふり構わないやり方など許せる筈がなかった。


しかし、隠居の身となった今となっては、金太郎が何をしようと黙って見ているより他は無い。


「はぁ…情けない…」