「4人ですか…そうですな…2部署ほど空きがありますけど…」


人事部の担当者は、社の配置表を眺めながらそう答えた。


花神王子製紙のこの本社には、様々な部署がひしめき合っている……スパイに感づかれない為には、ごく自然に補充という形で空いた部署に潜り込むのが得策だと、シチロー達は考えたのだ。


「商品開発部と営業部あたりかしら♪」


てぃーだは、希望的観測でそんな部署名を口にした。


「あたしは、社長秘書がいいな~♪」


ひろきは、その言葉の響きに憧れの表情を見せる。


しかし、眼鏡をずり上げ人事部の担当者が口にしたのは……


「いえ…『接待ゴルフ課』と『リサイクル資源課』ですね…」


「接待ゴルフ課って何だよ・・・」


皆が不安そうな表情をする中、子豚だけは喜んでいた。


「キャッ♪ゴルフがタダで出来そう♪」


その様子を見て、ひろきも後に続いた。


「あたしもゴルフやりたい♪」


「それじゃあ…コブちゃんとひろきは、『接待ゴルフ課』でオイラとティダは『リサイクル資源課』って事で……」


「こっちの課の方が、まだまともそうだわ…」


アテが外れたてぃーだが、溜め息混じりに呟いた。