産業スパイの黒幕を突き止める為に、シチロー達はその祭を隠密に尾行する事にした。
会社の定時のチャイムが鳴る午後5時、通用門の前で彼が出て来るのを待つシチロー達。
「奴はいつも定時で家に帰るそうだ。ここで待ち伏せして尾行を開始するぞ!」
「お~~~っ!」
全員で掛け声を合わせ
気合いを入れていると、予定通りに会社の建物の中から、私服に着替えた祭が姿を現した。
祭は電車通勤である。
徒歩で最寄りの駅へと向かう祭の後ろを、4人は少し距離をおきながらさりげなく尾行を開始した。
「ところで……」
歩きながら、シチローが周りに聞こえない程の小さな声で子豚に囁いた。
「ところでコブちゃん…その格好は何か意味でもあるのかな?」
「だって、隠密行動でしょ?…私なりに工夫してみたんだけど♪」
この尾行をするのに、子豚は何を思ったのか、
黒の“全身タイツ”を着用して来ていたのだった。
「コブちゃん…まだ夕方だし、余計に目立つと思うよ……」
いつもながら、子豚の発想には理解に苦しむところがある。
.



