チャリパイ10~産業スパイにご用心~


産業スパイの黒幕を突き止める為に、シチロー達はその祭を隠密に尾行する事にした。


会社の定時のチャイムが鳴る午後5時、通用門の前で彼が出て来るのを待つシチロー達。


「奴はいつも定時で家に帰るそうだ。ここで待ち伏せして尾行を開始するぞ!」


「お~~~っ!」


全員で掛け声を合わせ
気合いを入れていると、予定通りに会社の建物の中から、私服に着替えた祭が姿を現した。



祭は電車通勤である。


徒歩で最寄りの駅へと向かう祭の後ろを、4人は少し距離をおきながらさりげなく尾行を開始した。


「ところで……」


歩きながら、シチローが周りに聞こえない程の小さな声で子豚に囁いた。


「ところでコブちゃん…その格好は何か意味でもあるのかな?」


「だって、隠密行動でしょ?…私なりに工夫してみたんだけど♪」


この尾行をするのに、子豚は何を思ったのか、
黒の“全身タイツ”を着用して来ていたのだった。


「コブちゃん…まだ夕方だし、余計に目立つと思うよ……」


いつもながら、子豚の発想には理解に苦しむところがある。