「『祭 大輔』って何か、お祭りが大好きそうな名前ね♪」


子豚がダジャレともとれる様な感想を言う。


「そりゃあベタ過ぎるよ…コブちゃん…
『祭 大輔』だから、祭が大好きなんて」


しかし、彼の事を知る
花水は子豚の言葉をフォローでもするように、こんな事を話してくれた。


「でもまあ、彼が無類の祭り好きだったのは当たっているよ。
彼は優秀な男だったが、祭りの時期になると仕事そっちのけで早退したり休んだりばかりするもんだから、開発部を追い出されて他部署に飛ばされたんだ…」


「なるほど……それなら、その飛ばされた事を恨みに思って、スパイ行為をしているのかもしれないわね…」


動機は充分である。
これで、祭 大輔の容疑はますます深まった。


「まぁ~とにかく、その彼を捕まえて~めでたし♪めでたしだね♪」


しかし、依頼解決に向かって積極的な行動を口にするひろきに対し、シチローは慎重だった。


「いや…はたして、彼1人の犯行なんだろうか?
スーパーティッシュの技術を盗んだとしても、個人では大した利益に繋げる事は出来ないだろう……もしかしたら、バックに大きな組織が絡んでいる可能性だってあるよ」


「何が言いたいの?
…シチロー…?」


「つまり、今すぐ祭を捕まえるよりは、彼を泳がせて後を尾行すれば黒幕にたどり着けるかもしれないって事さ!」


そう言って、再び人差し指を突き出し、ポーズをキメるシチロー。



またまたキマッた♪