「いやぁ~会長♪見事な追い上げで♪
いよいよパットの勝負ですな♪」


ようやく希望の光が見えてきた四井所は、また接待スマイルに戻っていた。


「コブちゃん…これ入れたら勝っちゃうからね…絶対外してよ!」


今までの事もあるが、今回は特に絶対失敗の許されないパットの勝負である。


とんでもない所に打てば外す事は簡単だが、しかし、それではあまりにもわざとらしい。


「ああっ!逆にプレッシャーだわ
それじゃ…カップの横50センチを狙って!」


そして、接待ゴルフ課の運命を懸けて子豚のパットが打ち放たれた!



コン!



「よし!完全に方向違いだ♪」


誰もがそう思った。



しかし…




「あれ?ボールが曲がって…」


「あら…」


まるで、見えない糸で操られている様に、子豚の打ったボールは大きな弧を描いてカップに吸い込まれていった。





カッコーン!



「入っちゃった!」



実は、子豚の打ったコースはプロでも見分けが難しい、『絶妙な曲がりの芝目』に沿っていたのだ…