恋変。〜恋して変わる。〜


「.........ん...」


「あ、起きた。母さんー、橙夏起きたー」

「ほんとー?」




お兄ちゃんがテレビを見ていて、お母さんが料理してて、お父さんはまだ帰ってきて無くて。


私はソファで寝かされていた。



「あんたね、保健室で休むだの何だのしなきゃダメって言ったでしょ?ほんとに考えなしなんだから」


「...今何時?」


「話聞いてないわね...。7時半よ。もうすぐでお父さん帰ってくるから」

「...私...どうやって帰ってきたの?」

「私が迎えに行ったのよ。でもまぁ、その前は保健室で寝てたけどね。あ、そうだ。橙夏、お礼いっときなさいよ?」

「あぁ...うん......」

「母さん。また、橙夏寝た。」

「えぇ!?ちょ、橙夏起きなさい!お母さんがさっき言ったこと聞いてたの?」

「聞いてた...」


お母さん...うるさいなぁ...
彩花にお礼言っとけばいいんでしょ...
分かってるから...もう...


「橙夏。お前負けたの?」

「う、ん」

「ふーん。ヘタクソ」

「......何?お兄ちゃんに言われたくないし。バーカ」

「へー?そんなこと言ってもいいんだぁ。お前の唐揚げたーべよ」

「え!?今日唐揚げなの?なんで?」

「何でも何も無いでしょ。橙夏が疲れてるかなって思って、お母さんのささやかな気遣いです。」

「うわぁ、ありがとうお母さん!!」

「いえいえ。」



お兄ちゃんがほんとに私の分を食べようとしてたから、お兄ちゃんの唐揚げをふたつ食べてやった。
そのあとお父さんとお兄ちゃんは二階で仕事と勉強をしに行って、私はお母さんと話していた。



「最近は学校どう?」

「んー楽しいよ。今日は悔しかったけどね」

「でも、頑張ったんでしょ?ならいいじゃない。」

「うん...」



それでもやっぱり悔しくて。
みんなにどう会ったらいいのかな。
明日は土曜日で午前中で学校は終わる。

彩花には迷惑かけまくってるしなぁ


「お母さん...明日休んじゃダメ?」

「なんで?まだえらい?」

「ううん、なんていうか...行きにくい...」

「あんたねぇ、そうやって一回休んだら、もっと行きたくなくなるわよ?」

「そうだけど...」



まだ、グズグズ言っている私に呆れたお母さんは、私に一言

「部屋の電気消してきてね?」

と言い、二回に上がってしまった。

私はなんて無責任な!と思ったけど口に出来るはずもなく。
1人で電気を消し、テレビも消して、階段を上った。





パチッ
と部屋の明かりをつけると、明らかにお兄ちゃんが、投げた私の鞄が散らかっていた。


「お兄ちゃん...乱暴すぎ...」


そういえば明日までの宿題...私やってない
うわぁ、最悪。
もうすぐで十一時を回る頃にそんなことに気づくなんて...

これもお母さんと長話をしすぎたせいだ...


「しょうがない...」


起きているうちにやってしまおう。
確か、英語の訳を書けばいいだけだからすぐ終わるでしょ

...なんて、思ってたのに...



「終わらない...」



眠いから集中力もなくなって全然進まない。
ちょっと書いたら漫画読んだりしちゃう...


これじゃあ朝までかかるよ



「あー眠い...」



もう12時だ...最悪。明日起きれるかな...
そんな心配ばかりして、全然進まなかった。