「橙夏ー?あ、いたいた」
「彩花。どうしたの?」
もうすぐでお昼が終わるくらいの時に彩花が私の元に来た。
「そろそろバスケ始まるから、迎えに来たの!大丈夫そう?」
「もちろん!」
「でも、よかったの?保健室にいなくて」
「う、うん...まぁ大丈夫だよ!多分!」
「多分って...」
私は保健室に行かなかった。理由は簡単。
緑川くんのソフトテニスが見れないから。
どうしても、見たかった。
笹川さんと野口さん...いや、笹川さんがやるきがないからか、ミス連発。
1回戦で敗退してしまった。
でも、緑川くんと水野くんのナイスペアのおかげで、その分は取り戻せたんだ!
話しかけてきなよって彩花に言われたけど、先に笹川さんが行ってしまったから行けなかった。
もしかしたら...っていうか、絶対。
笹川さんは緑川くんのことが好きだ。
取られたくないって、付き合ってもないのに思ってる自分が嫌だ。
ヤキモチ妬いてるなんて知られたくない。
誰にも
「橙夏?どうしたの?やっぱりまだ...」
「大丈夫だってばー、ほら早く行こっ!」
「...わかった、でもえらくなったら言ってよね!」
「はいはーい」
適当に返事しない!って怒られちゃった
校舎を走り抜け、やっと体育館につくと、原田さんが駆け寄ってきてくれた。
その後から宮部さんと国保さんも。
あれ?
「あと2人は?」
確か...山川さんと多戸さん?
「あぁ...山川さんは多分来ないよ。」
「え!?来ないの!?」
「え?知らない?山川さんってサボリで有名だよ?」
「そうなの??全然知らなかった...確かに授業中あんまりいないもんね」
でも、なんで立候補したんだろ?
サボりなら立候補なんてしないほうが楽だと思うんだけど...
まぁ、成績とか、一応立候補しとけば上がるかもしれないしね
あ、結局サボったら一緒か
「でも、多戸さんは?」
「多戸さんはもうすぐで来るんじゃないかな?放送委員だから忙しいみたいで」
「そっかぁ...でも6人か...」
「まぁまぁ。私たち、結構うまくなってるから任せといてよ」
「うん!美波と私はシュート率上がってきたんだ!」
「すごいね!さすがバスケ部さん!!」
宮部さんはニコッと笑ってピースを返してくれた。
隣で国保さんも笑ってた。
「あぁー、じゃあこの中で下手くそなの私だけなの?」
「え!!下手くそなんてありえない!去年見たよ?すっごく上手かった!」
原田さんのお世辞の威圧すごい...
「下手くそだよ!でも、ありがとう!お世辞でも嬉しい!」
「お世辞じゃないよ!」
「あーはいストップ!もう始まるからいこ!」
「あ!ほんとだ!泉さん、行こう!」
「...うん!」
全員でコートに入ると、向こうに相手のチームがいた。
向こうはバスケ部3人のチーム。
勝てるかなぁ?
そんなことを考えていると彩花が声を上げた。
「じゃあいこっか」
彩花の声により、コートの中央に集まった。
先生の笛の音がなり、ついに
試合開始。
ジャンプボールは国保さんがやってくれた
でも、ほんと1cmくらいの差でボールは相手側に渡ってしまった。
一気に攻めてくると思ったら、ゆっくりとパスを繋いで攻めてきた。
様子見かな?わかんないけど頑張んないと!
気合を入れた時、丁度マークマンにボールが渡された、そしてそのままシュートに行かれそうになってしまった。
だけど、私は飛んで、そのボールを弾いた。
「ナイス!」
宮部さんがそう声をかけてくれた。
瞬時にディフェンスからオフェンスに変わった事で速攻ができる。
私は走ってミドルが打てる位置にきた。
「はい!」
国保さんが私を見つけてパスを出す。
そのままシュートに行ける!
...と思ったらもうディフェンスがついていた。
これは...やってしまった。
とりあえずスリーポイントのところまで下がって、原田さんにパスをした。
そして、うまくゴール下に入った彩花がシュートを決めた。
「ナイッシュー!彩花!」
声をかけに行くと
「...やばい」
「え?なにが??体調悪い?」
「...楽しすぎる」
...なんだ...体調悪いのかと思ったら...
「私もだよ、すごい楽しい」
「だよね!?こんなに楽しいの久しぶりよ」
試合中にも関わらず、私たちは会話をしていた。
がそのせいで彩花のマークマンがレイアップを決めた。
「あ!...ごめん!!みんな!」
「私こそごめん!邪魔したよね!」
「二人ともいいんだって!まだ取り返せるよ!」
国保さんの、慰めに、ありがとう、と言った。
そうだ、取り返そう。
頑張らないとなぁ!


