恋変。〜恋して変わる。〜





今日は天気も晴れて、暑くも寒くもない丁度いい気温

朝ごはんもしっかり食べて私は準備万端



「じゃあ行ってきます!!」

「気をつけてねー!」

「頑張ってこいよー」



そう、今日は高校最後のクラスマッチだ!




学校につくと、彩花はせっせと働いていた。
彩花と話せないなぁ...って思いながら携帯の小説アプリを開くと、まだ第1章も読み終えていない恋愛小説があった。


あ、これ...緑川くんにオススメって勧めたやつだ。

緑川くんも読んでるのかな?

いや、今思えば、年頃の男子がこんな恋愛小説読まないんじゃ...
それに、この小説は会話文が少ないから、緑川くんの好みじゃないだろうし...

あぁ!なんで私はこれを勧めたの!?


「うぅ...」

「何?どうした?」

「...あ、川口くん」

「おはよう。何唸ってんだよ泉」


少し笑いながら話しかける川口くん。
今日は髪の毛をピンで止めていて、爽やか少年って感じだ。

「あ、うん。おはよう。ちょっと考え事してて」

「...そっか。そういえば風邪はもう治った?」

「うん、5日も休んじゃったよ」

「はは、治ったらならいいや。結構心配してたんだぜ?」



...心配...か。
緑川くんも...してくれたのかな...??
なんて、するわけないじゃんか。

だって、緑川くんにとって私は、ただのクラスメイトなんだから


「...あのー、ノーコメントは辛いんだけど...?」

「え!?あ、ごめん!」

「別にいいけど...なんか悩み事でもある?俺でよかったら相談乗るけど」

「ううん、悩み事なんてないよ」

「そうは見えないけど...あ、俺今日、結構暇だから...」


川口くんが私をなにかに誘おうとした時



「橙夏!おはよう!川口、今日、橙夏は私と遊ぶ約束してるから無理。それと、そんなに橙夏に迫んないでくれる?」

「え?あ、そ、そうか。ごめん、泉。」

「う、うん!全然...」




気まずい空気が流れたけどそれを終わらせたのは、脳天気に歌って登場した加山だった。


「今日は待ちに待ったクラスマッチ!!俺の活躍が見れるからバトミントン見に来いよ!?」

「お前、シャトルに当てるのもままならねぇだろ」


笑いながら川口くんが加山をからかう。
それに乗っかって私と彩花もからかう。


あぁ、よかった。


変な空気にならなくて