北海道…それをきいて少し間が空いてからハッと気づく。それは沖縄からははるか遠くにある。日本の最北端。付き合ってから知ることになる事実。それに桜は戸惑いつつメールを返した。

✉北海道なんだね!私沖縄。会えないくらい遠いね。…あはは…

桜の心情はメールと同じだった。長野らへんなら会おうと思えばギリギリ…とおもっていたが、本当は北海道。会えるわけない。こんなの付き合ってるのかな?そう思った。返信がすぐくるとおもって握っていたケータイだが、その日、返信が来る事はなく、そのまま寝てしまった。次の日、起きたら1通のメールがきていた。メールを開くとこう書いてあった。

そんなに遠いのか。すごいびっくりしてる!趣味も会うから話したいけど会えないね。残念。

桜は思い出した。趣味。知恵の輪…今考えればなにか突っかかる。あの2秒くらいで知恵の輪を解くのは可能なのか?実際、桜はナミかと思い、解いているのは見ていない。メールの最後の一文。まるで会いたくなかったかのような文。気の所為であるとは思うが神経質なのか、気になってしまう。でも、そんなこと考えてもしょうがない。メールを返す。

✉そーだね。知恵の輪、高速で解くの見たかったのに!残念だなー…

このメールにいろんな意味を込めた。会いたいと思っているか、知恵の輪に関してはどうなのか。その後すぐに返信がきた。

✉俺も桜に会いたいよ。だから今度言ってもいい?住所教えてくれたらいくわ。

桜は目を疑った。沖縄に北海道からくる?そんなにお金があるの?高校生にはきつい気がする。そうおもったが、メールでは

✉ありがとう????まってる!住所は後で送っとくね。で、いつこれるの?

普通にメールを送った。普通に待ってて、いつものようにメールがきた。

✉いつでもいけるよ。夏休みだし、いつがいい?今日でもいいよ(。 ・`ω・´) キラン☆

絵文字まできて、やっぱ普通の人だ。疑った自分がバカだった。そう思ってメールを返した。

✉今日でもって無理でしょー!できるもんなら来てみな!

メールで返信がくる。住所も今送って、夏休みが満喫できる。そう思った瞬間、後ろから聞いたことあるような声がした。

「桜、遠距離なんてやだ。俺と一緒に暮らそうよ。」

え…桜は振り向いた。そこには彼がこっちを見ていた。そんなわけない!彼は北海道にいる。ケータイで相手がどこにいるかわかる機能あるし彼は北海道…え…そこに書いてあった。のは沖縄の文字。もう一度後ろをみる。なんで…なんでいるの?声がでない。彼は続けてこういった。

「俺は人間じゃないよ。知恵の輪あんなに早く出来る人間いないだろ。君は私達Kip研究所のターゲット12453。君の前にいる彼。りとだっけな。今は操作してるが、普段は普通の人間。ただ、臓器は全て機械だがな。このりとは一番の遠距離恋愛ができてボーナスが入るところだ。褒めてあげな。大切な"彼氏"なんだろ?」

そんな…桜は頭が真っ白になった。そのままなにもできないまま時は過ぎていった。もう…遠距離恋愛なんてしたいくない。誰も信じられないまま、桜は14528という番号がつけられた。