その夜。私は勇気をもって彼にメールした。

✉こんばんは!桜です。あ…長野であった…人です。よかったら返信ください。もっと話したくて。

✉ありがとう。こんばんは。今日はありがとう。いろいろと楽しかった。僕ももっと話したい。桜さん…だよね。なんて呼べばいい?

✉返信ありがとう。桜でいいよ!長野に修学旅行ってあんまりないイメージだったけど、ほかの学校でもあったんだね!私、長野から凄い遠くてさ。疲れちゃった♪今日は遅いしおやすみね。

✉僕もかなり遠い。君より遠いんじゃないかな?どこに住んでるかわからないけど。まだ起きてる?聞きたいことあるんだ。

え…なに聞きたいことって。そうおもった桜。でも返さなかった。いや、何かを感じたのか返せなかった。

次の日。もう彼と会うことはないだろう。そう思って沖縄へ帰る。もっと彼と話したい。メールじゃなくて。

もう彼女には会えないのか。これから。メールもできて楽しいけど…違う僕はあの子ともっと話したい。遠いっていうくらいだから四国とかなのかな?結局そのこと書いてなかったし…

その夜。彼女の方からメールが送られた。

✉ねぇ。急だけどすっごい大切な…ってか…話があるんだけど。いいかな…?

✉奇遇だな。俺も話すことあった。先いいよ。桜からで。俺はその後。変なことだし。

✉私も変なことかもだけど…あの時から…君には特別な…感情っていうか…えっとね?えーっと…好きです!あなたのことが。変だよ…ね?なんかごめん。

送信ボタンを押してしまった…後悔しかない。もう連絡取れないかな?あっちの話。言いづらくなったかな?悪いことしたかも…そんな桜にメールが届いた。え…桜は動揺を隠せなかった。

✉どんだけ気が合うやら。俺と全く同じようなこというなんて。俺もあの時話して、明るくて、気に入ってた。もっと話したい。付き合ってくれますか?

桜はこれほどにないスピードでもちろん!よろしくね!とメールを返した。その後、

✉びっくりしちゃった!そう言えばどこに住んでるの?聞いてなかったね。長野から遠いって?熊本とかかな?

桜は自分が沖縄だからせめて九州であってほしい。その願いをメールで送った。彼からの返信に桜は驚愕した。

✉俺もびっくりした。俺の出身地?長野なんてめっちゃ遠いよ。桜はどこなのかな?俺は…

そこに書いてあったのは漢字三文字で書かれた桜の期待を裏切る都道府県。

ーーー北海道だよ?ーーー